オフィシャルブログ

月別アーカイブ: 2025年9月

サイカの農園日誌~やりがい~

皆さんこんにちは

株式会社C.サイカの更新担当の中西です。

 

~やりがい~

 

1|いま強い“ニーズ”はここにある 🎯

  1. 外れを出さない安定品質
    着果温度帯・株負荷(1株1–2果)・日射と水分ストレスの再現レシピ化。糖度レンジ・空洞率の目標管理。

  2. 収穫後品質(コールドチェーン)
    収穫→予冷→出荷のリードタイム短縮(目標30分以内)、結露対策と保冷輸送で“切った時の感動”を守る。

  3. サイズ/用途別の規格設計
    丸玉・小玉・カット用で重量レンジ・形状・皮厚を分け、歩留まりを事前に提示。

  4. 気候レジリエンス
    高温・豪雨・フェーンに備え、反射マルチ・遮光・高畝排水・換気経路をセットで設計。

  5. 衛生・エビデンス(とくにカット対応)
    低温・衛生SOP、残留基準、異物管理、簡易HACCPでバイヤーの信頼を獲得。

  6. 多販路と“関係性販売”
    市場+契約(量販/カット工場)+直販EC+観光+加工(ジュース/ジェラート/ピクルス)で出口の重ねがけ

  7. 省力化と人材育成
    ツル整理・玉返し・収穫・選別の治具化/動画SOPで“誰でも同品質”に。

  8. サステナブル&原価管理
    水・電力・被覆資材の原単位見える化、台木・マルチの回収・再資源化。


2|買い手別「刺さる提案」テンプレ 💡

  • 量販・青果
    → 週○回/○箱、重量レンジ(±○g)、糖度レンジ(Brix○–○)、空洞率上限(%)、欠品時の代替ロット。

  • カット工場
    → 形状均一・皮厚レンジ、歩留まり試算(%)、予冷温度・結露対策、衛生SOP(1枚)。

  • 直販・EC
    → 収穫日・冷やし方カード・小玉/ハーフ/スティック、“試し切りライブ”の予約案内。

  • 観光(体験)
    → 収穫体験+冷やし庭(氷水)+食べ比べ、雨天振替、SNS用撮影スポット。


3|“選ばれる農家”の運用テンプレ 📐

  1. 3プラン販売
    ベーシック(家庭用MIX)/セレクト(小玉・糖度保証)/プロユース(重量・糖度レンジ固定+定期便)。

  2. 品質ダッシュボード
    糖度分布・重量分布・空洞率・破損率・予冷時間・レビュー/クレームを週1枚で共有。

  3. SOP+動画(60–90秒)
    着果・潅水・玉返し・収穫・選別・予冷・カット衛生を誰でも再現

  4. 出口多層化表
    生鮮/カット/直販/加工の代替先・担当・合意規格を平時から確定。

  5. 気候リスク手順書
    高温・豪雨・フェーンごとの前倒し潅水/遮光/換気/収穫タイミングをチェックリスト化。


4|KPI📊

  • 糖度適合率(%)/空洞率(%)/日焼け・割れ率(%)

  • 重量レンジ適合率(%)/外観規格適合率(%)

  • カット歩留まり(%)/破損・返品率(%)

  • 予冷リードタイム(分)/労働生産性(箱/人時)

  • 直販比率(%)/リピート率(%)/原単位(kWh・m³/㎏)

KPIは“週報1枚”に集約し、翌週の作業と販売配分に反映すると改善が加速します。


5|“価格競争”を避ける差別化ポイント 🧭

  • 数値で語る:糖度レンジ・歩留まり・予冷時間・返品率を公開。

  • レシピの一部を開く:着果温度帯・株負荷・仕上げ潅水の方針を“ストーリー化”。

  • 可視化の徹底:予冷~梱包の動画、カット衛生SOP、冷やし方カードを納品同梱。

  • 環境値:水・電力・資材回収率を年報で提示=企業バイヤーに強い。


6|現場で感じる“やりがい”ベスト9 🌟

  1. 包丁が入った瞬間の音と香りに“仕上がり”が現れる。

  2. 数字で証明できる喜び(糖度・歩留まり・空洞率が努力に応える)。

  3. 季節をデザインできる(干し風・日射・潅水・予冷で“夏のご褒美”を演出)。

  4. 家族の思い出に入り込める(花火・海・BBQの真ん中に自分のスイカ)。

  5. 同品質をチームで再現できたときの達成感。

  6. 規格外も価値に変えられる(ジュース・ジェラート・ピクルスでロス最小)。

  7. 買い手と“同じ指標”で語れる(Brix・重量・歩留まり・返品率)。

  8. 現場の工夫がすぐ効く(予冷30分短縮でクレーム率↓)。

  9. 地域と一体で盛り上がれる(直売・観光・イベントで“推し産地”化)。


7|100秒ストーリー(真夏日の前倒し)📘

フェーンで果面温度が上がる予報。
ダッシュボードを見ると、先週の空洞率が増加傾向。
遮光を1日早め、潅水を夜明け前に前倒し、収穫後の予冷を20分短縮
3日後、糖度分布は狙いレンジ、空洞率は1/3に。

試し切りの一口目でスタッフ全員の顔がほころぶ。数字と段取りが“夏の幸福”を連れてきた。


8|明日からできるミニ改善 ✅

  • 収穫ロットごとに糖度を3点サンプリング→ホワイトボードで共有。

  • 予冷リードタイムをストップウォッチで計測し、搬出動線を10分短縮。

  • **玉返しSOP(写真3枚)**を通路に掲示。

  • 規格外の**即時出口先(加工)**と価格表を作成。

  • 週1で**“冷やし方ライブ”**をSNS配信(塩ひとつまみ・切り方・保存術)。


まとめ ✨

ニーズは「外れのない安定品質」「収穫後品質の死守」「サイズ・用途別の規格」「気候レジリエンス」「衛生・エビデンス」「多販路」「省力と人材育成」。
やりがいは「音と香りで分かる仕上がり」「数値で証明」「季節をデザイン」「物語に参加」「チームで同品質」「ゼロロスへの挑戦」。

今日の一歩――糖度と予冷時間の“見える化”から。
小さな仕組み化が、“外れのない夏”と選ばれ続ける産地
をつくります🍉🚀

 

apple-touch-icon.png

サイカの農園日誌~変遷~

皆さんこんにちは

株式会社C.サイカの更新担当の中西です。

 

~変遷~

 

1|序章:涼の果実が“設計できる作物”になるまで

スイカは「夏の象徴」から、規格・糖度・食べやすさ・体験まで設計する作物へ。
キーワードは 接ぎ木・施設化・予冷・小玉化・直販・データ化 です。


2|戦後〜1970年代:露地・家族労働・“勘と経験”の時代

  • 栽培:露地栽培が中心。露地マルチ敷きわらで地温・病害を調整。

  • 品種:在来~固定種が主流。大玉が“良いスイカ”の代名詞。

  • 受粉:人手や自然訪花昆虫。雨天・高温・低温で着果がぶれやすい

  • 流通:近隣市場に丸玉で出荷。輸送傷や破裂のリスクが高い。
    → 量を確保し、叩いて見極める職人技が頼りでした。


3|1980〜1990年代:接ぎ木・ハウス前進・糖度の安定化

  • 接ぎ木:台木(かぼちゃ等)普及でつる割病・連作障害に対応、収量・安定性が向上。

  • 施設・資材ビニールハウス / トンネル、黒・銀マルチ、**滴下潅水(ドリップ)**が普及。

  • 着果管理:マルハナバチ導入、1株1〜2果など負荷管理で糖度が安定

  • 選果:外観中心から比重・音響判定を併用しはじめる。
    → “当たり外れ”が減り、安定糖度が目標になりました。


4|2000年代:小玉・カット・コールドチェーン(食べやすさの時代)

  • 品種とサイズ:核家族化・冷蔵庫事情に合わせ小玉・薄皮が台頭。**種なし(3倍体)**も拡大。

  • 予冷・物流収穫後の予冷・保冷輸送が整備。日持ちと風味が改善。

  • カット需要:量販・コンビニ向けに1/2・1/4・スティックが一般化し、形状均一の果実設計が進む。

  • 契約出荷:歩留まり・糖度レンジ・重量レンジを明文化した規格取引が増加。
    → 「大きさ」から**“使いやすさ・歩留まり”**へ評価軸がシフト。


5|2010年代:ICT・データ経営・直販体験(ブランドの時代)

  • 環境制御:温湿度・日射・土壌水分センサーで潅水・施肥の精密化(フェルティゲーション)。

  • 品質可視化Brix(糖度)計測・空洞(ハート)対策のCa/B管理・日焼け防止に遮光資材

  • 直販・観光試し切り・生果ジュース・SNS発信・QRで栽培履歴

  • 加工・輸出:ジュース・ジェラート・ピクルス、アジア向け空輸など多角化。
    → 生産は**“レシピ化”**され、ブランドと体験が収益の柱に。


6|2020年代:高温・豪雨・人手不足へのレジリエンス(持続可能性の設計)

  • 気候対応:極端高温・豪雨・フェーンに対し、被覆・反射マルチ・高畝排水・遮光/換気の再設計。

  • 労力ツル整理・着果・玉返しの省力化治具、搬出台車・選果ライン、動画SOPで即戦力化。

  • 衛生・エビデンス:簡易HACCP、異物・残留基準、カット工程の低温・衛生管理の厳格化。

  • サステナブル:被覆資材の回収・再資源化、水・電力の原単位管理
    → “おいしい”に安全・環境・人材育成を重ねる時代へ。


7|技術の肝(現場の勘所)🛠️

  1. 着果温度帯×株負荷:着果時の温度/湿度と果数で糖度・空洞化が決まる。

  2. 水分ストレス設計:着果前後は控えめ、肥大期は安定、仕上げは締める——ドリップと土壌水分センサーで再現性UP。

  3. 日射と果面温度:反射マルチ・わら・玉返しタイミングで色むら・日焼けを防ぐ。

  4. Ca/Bと割れ対策カルシウム葉面・微量要素、急雨時の吸水暴騰に備え潅水設計を“前倒し”。

  5. 予冷のリードタイム:収穫→予冷庫まで30分以内が理想。冷やし過ぎの結露対策もセットで。

  6. 選果の二刀流外観/重量の規格化+糖度・音響・比重の補助判定で“外れ”を減らす。


8|ビジネスモデルの変遷:丸玉一本から“多層の出口”へ 💼

  • :丸玉で市場へ。

  • :丸玉+契約(量販/カット工場)+直販(EC/観光)+加工(ジュース/ジェラート/ピクルス)。

  • KPI:平均単価だけでなく、糖度適合率・重量レンジ適合率・カット歩留まり・破損率・原単位(燃料/電力/水)・直販比率


9|“選ばれる農家”の運用テンプレ(コピペOK)📐

  1. 3プラン販売
    ベーシック(家庭用MIX)/セレクト(糖度保証・小玉)/プロユース(重量レンジ固定・糖度レンジ・定期便)。

  2. 品質ダッシュボード
    糖度分布・重量分布・空洞率・破損率・レビュー/クレーム・原単位を週1枚で共有。

  3. SOP+動画(60–90秒)
    着果・玉返し・収穫・選別・予冷・カット衛生を“誰でも同品質”に。

  4. 出口多層化表
    生鮮/カット/直販/加工の代替先・合意規格・連絡先を整備。

  5. 体験メニュー
    試し切り・食べ比べ・収穫体験+冷やし庭(氷水バケツ)で“推し産地”化。


10|KPI📊

  • 糖度適合率(%)/空洞率(%)/日焼け・割れ率(%)

  • 重量レンジ適合率(%)/外観規格適合率(%)

  • カット歩留まり(%)/破損・返品率(%)

  • 予冷リードタイム(分)/労働生産性(箱/人時)

  • 直販比率(%)/リピート率(%)/原単位(kWh・m³/㎏)


11|“やりがい”はこう進化した 🌟

  • 音と香りで分かる“仕上がり”:包丁が入る音、立ちのぼる香り——瞬間の手応え。

  • 数字で証明できる:糖度・歩留まり・破損率が日々の工夫に応える。

  • 季節をデザインできる:栽培・予冷・演出(試し切り)で真夏のご褒美を作る。

  • 家族の思い出に入れる:丸玉を囲む食卓、花火の日のジュース——物語に参加できる。

  • チームで同品質:SOPとデータで、誰の列でも“同じ美味しさ”に近づく。

  • ゼロロスへの挑戦:規格外をジュース・ジェラート・ピクルスに変える創意。


12|100秒ストーリー

梅雨明け直後、空洞クレームが増え始めた。
ダッシュボードを見ると、着果期の高温+仕上げ潅水の締め不足が原因らしい。
朝の潅水を2日前倒し、カルシウム葉面を追加、収穫後の予冷を15分短縮。
3日後、空洞率は1/3、糖度分布は目標レンジに復帰。

試し切りの一口目で「今年いちばん」。数字と段取りが、夏の“幸福の音”を連れてきた。


13|明日からできるミニ改善 ✅

  • 収穫ロットごとに糖度3点サンプリング→ホワイトボードで共有。

  • 予冷リードタイムを実測し、搬出動線を10分短縮。

  • **玉返しのSOP(写真3枚)**を通路に掲示。

  • 規格外の即時出口(ジュース/加工)表を作り、廃棄を価値へ。

  • SNSに試し切り動画と保管・食べ方カード(冷やし方/切り方/塩ひとつまみ)を週1投稿。


まとめ ✨

スイカ農家は、
露地と勘 → 接ぎ木×施設 → コールドチェーン×小玉化 → ICT×体験×レジリエンスへと進化してきました。
これからの鍵は、着果温度×株負荷設計・水分ストレス制御・予冷リードタイム短縮・多層の出口

今日の一歩は――糖度と予冷時間の“見える化”から。
小さな仕組み化が、“外れのない夏”と選ばれ続ける産地
をつくります🍉🚀

 

apple-touch-icon.png