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日別アーカイブ: 2025年8月22日

サイカの農園日誌~“甘さは畑で決まる”~

皆さんこんにちは

株式会社C.サイカの更新担当の中西です。

 

~“甘さは畑で決まる”~

スイカは追熟しません。だからこそ、苗づくり・交配・果実負担・水と温度の設計で、畑の中で甘さを作り切ることが肝心です。今日から使える作型・環境・整枝・灌水・空洞果/裂果対策・収穫の見極めを一気にまとめました。🧭✨


1|年間カレンダー(温暖地の一例)🗓️

  • 1–2月:台木/穂木の準備→接ぎ木育苗(つる割病対策)🧪

  • 3–4月:仮植→定植(マルチ&トンネル)→活着管理

  • 4–6月交配期(ミツバチ放飼/人工授粉)→着果マーキング🐝

  • 6–8月:肥大・糖集積→水コントロール→収穫ピーク

  • 8–9月:ベッド撤収・土壌消毒・片付け

交配日を**タグ(例:4/25)**で“見える化”。日数後収穫の精度が跳ね上がります。⏱️


2|土とベッド設計 🧱

  • 排水>保水:高畝+黒マルチ。踏圧ライン固定で根を潰さない。

  • pH:6.0–6.5目安。塩類過多なら前作で洗い出し

  • 元肥多すぎNG。チッソ過多はつるボケ&空洞果の引き金。**K(カリ)**厚めで糖を後押し。🌾


3|整枝・着果負担のコツ ✂️

  • つる:主づる+子づる2–3本で展開。

  • 着果数

    • 大玉1果/株

    • 小玉2果/株(樹勢を見て)。

  • 玉直し:接地面が白く偏らないよう2–3日ごとに軽く回す(過度な操作は裂果誘因)。🔄


4|交配と日数管理 🐝⏳

  • マルハナ/セイヨウミツバチ10aあたり1–2群目安で放飼(天候で追加)。

  • 人工授粉午前中に。開花直後がベスト。

  • 収穫目安(日数後)

    • 大玉35–40日

    • 小玉28–32日(品種/気温で±)。
      タグ+日数+果実径で3点確認。✅


5|水と温度の“甘さ設計” 💧🌡️

  • 交配〜肥大前半潅水しっかりで細胞数を確保。

  • 着色〜仕上げややドライで糖度UP。ただし急な断水→豪雨裂果の元。

  • 地温:**20–28℃**帯。マルチ&換気でオーバーヒート回避。☀️


6|空洞果・裂果・日焼けの回避策 🛡️

  • 空洞果:交配不良・チッソ過多・急成長が主因→交配安定/N控えめ/水分変動を小さく

  • 裂果降雨前後の水管理玉直し控えめ

  • 日焼け:葉で自然のひさしを作る。極端な直射時は簡易遮光。🕶️


7|病害虫の初動 🐛

  • つる割病:接ぎ木+輪作。

  • うどんこ/べと:朝の結露を作らない。換気・薬剤ローテ。

  • アブラムシ・ウリハムシ・ハダニ粘着板+被覆+選択剤で早期対応。

農薬はラベル厳守、収穫前日数にも注意。📒


8|収穫の見極め(多点法)🔔

  • 受粉からの日数(主)、巻きひげ枯れ(果梗近く)、地面接地面(地斑)の黄色化叩音(鈍い低音)、糖度サンプル(ロット抜き取り)。

  • スイカは追熟しない畑で完熟が正解。🍽️


9|予冷・保管・輸送 🚚❄️

  • 予冷12–15℃で“畑熱”だけ抜く(冷やし過ぎ=低温障害⚠️)。

  • 保管10–15℃・高湿度エチレン源(リンゴ・バナナ等)と分離

  • 梱包:衝撃吸収材+通風口のある箱。落下ゼロの動線設計。📦


10|現場チェックリスト ✅

  • ☐ 交配タグ(日時・株番号・品種)

  • ☐ 着果数(株ごと)

  • ☐ 潅水ログ(天候&土壌水分)

  • ☐ 異常果(空洞・裂果・日焼け)の比率

  • ☐ 収穫日報(糖度・重量・サイズ構成)


まとめ
スイカは**“交配タグ×水の波形×日数後収穫”で甘さが決まります。まずは交配タグと潅水ログ**を今日から始めましょう。畑の再現性が一気に上がります。🍉✨

 

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