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皆さんこんにちは
株式会社C.サイカの更新担当の中西です。
~変遷~
目次
スイカは「夏の象徴」から、規格・糖度・食べやすさ・体験まで設計する作物へ。
キーワードは 接ぎ木・施設化・予冷・小玉化・直販・データ化 です。
栽培:露地栽培が中心。露地マルチや敷きわらで地温・病害を調整。
品種:在来~固定種が主流。大玉が“良いスイカ”の代名詞。
受粉:人手や自然訪花昆虫。雨天・高温・低温で着果がぶれやすい。
流通:近隣市場に丸玉で出荷。輸送傷や破裂のリスクが高い。
→ 量を確保し、叩いて見極める職人技が頼りでした。
接ぎ木:台木(かぼちゃ等)普及でつる割病・連作障害に対応、収量・安定性が向上。
施設・資材:ビニールハウス / トンネル、黒・銀マルチ、**滴下潅水(ドリップ)**が普及。
着果管理:マルハナバチ導入、1株1〜2果など負荷管理で糖度が安定。
選果:外観中心から比重・音響判定を併用しはじめる。
→ “当たり外れ”が減り、安定糖度が目標になりました。
品種とサイズ:核家族化・冷蔵庫事情に合わせ小玉・薄皮が台頭。**種なし(3倍体)**も拡大。
予冷・物流:収穫後の予冷・保冷輸送が整備。日持ちと風味が改善。
カット需要:量販・コンビニ向けに1/2・1/4・スティックが一般化し、形状均一の果実設計が進む。
契約出荷:歩留まり・糖度レンジ・重量レンジを明文化した規格取引が増加。
→ 「大きさ」から**“使いやすさ・歩留まり”**へ評価軸がシフト。
環境制御:温湿度・日射・土壌水分センサーで潅水・施肥の精密化(フェルティゲーション)。
品質可視化:Brix(糖度)計測・空洞(ハート)対策のCa/B管理・日焼け防止に遮光資材。
直販・観光:試し切り・生果ジュース・SNS発信・QRで栽培履歴。
加工・輸出:ジュース・ジェラート・ピクルス、アジア向け空輸など多角化。
→ 生産は**“レシピ化”**され、ブランドと体験が収益の柱に。
気候対応:極端高温・豪雨・フェーンに対し、被覆・反射マルチ・高畝排水・遮光/換気の再設計。
労力:ツル整理・着果・玉返しの省力化治具、搬出台車・選果ライン、動画SOPで即戦力化。
衛生・エビデンス:簡易HACCP、異物・残留基準、カット工程の低温・衛生管理の厳格化。
サステナブル:被覆資材の回収・再資源化、水・電力の原単位管理。
→ “おいしい”に安全・環境・人材育成を重ねる時代へ。
着果温度帯×株負荷:着果時の温度/湿度と果数で糖度・空洞化が決まる。
水分ストレス設計:着果前後は控えめ、肥大期は安定、仕上げは締める——ドリップと土壌水分センサーで再現性UP。
日射と果面温度:反射マルチ・わら・玉返しタイミングで色むら・日焼けを防ぐ。
Ca/Bと割れ対策:カルシウム葉面・微量要素、急雨時の吸水暴騰に備え潅水設計を“前倒し”。
予冷のリードタイム:収穫→予冷庫まで30分以内が理想。冷やし過ぎの結露対策もセットで。
選果の二刀流:外観/重量の規格化+糖度・音響・比重の補助判定で“外れ”を減らす。
昔:丸玉で市場へ。
今:丸玉+契約(量販/カット工場)+直販(EC/観光)+加工(ジュース/ジェラート/ピクルス)。
KPI:平均単価だけでなく、糖度適合率・重量レンジ適合率・カット歩留まり・破損率・原単位(燃料/電力/水)・直販比率。
3プラン販売
ベーシック(家庭用MIX)/セレクト(糖度保証・小玉)/プロユース(重量レンジ固定・糖度レンジ・定期便)。
品質ダッシュボード
糖度分布・重量分布・空洞率・破損率・レビュー/クレーム・原単位を週1枚で共有。
SOP+動画(60–90秒)
着果・玉返し・収穫・選別・予冷・カット衛生を“誰でも同品質”に。
出口多層化表
生鮮/カット/直販/加工の代替先・合意規格・連絡先を整備。
体験メニュー
試し切り・食べ比べ・収穫体験+冷やし庭(氷水バケツ)で“推し産地”化。
糖度適合率(%)/空洞率(%)/日焼け・割れ率(%)
重量レンジ適合率(%)/外観規格適合率(%)
カット歩留まり(%)/破損・返品率(%)
予冷リードタイム(分)/労働生産性(箱/人時)
直販比率(%)/リピート率(%)/原単位(kWh・m³/㎏)
音と香りで分かる“仕上がり”:包丁が入る音、立ちのぼる香り——瞬間の手応え。
数字で証明できる:糖度・歩留まり・破損率が日々の工夫に応える。
季節をデザインできる:栽培・予冷・演出(試し切り)で真夏のご褒美を作る。
家族の思い出に入れる:丸玉を囲む食卓、花火の日のジュース——物語に参加できる。
チームで同品質:SOPとデータで、誰の列でも“同じ美味しさ”に近づく。
ゼロロスへの挑戦:規格外をジュース・ジェラート・ピクルスに変える創意。
梅雨明け直後、空洞クレームが増え始めた。
ダッシュボードを見ると、着果期の高温+仕上げ潅水の締め不足が原因らしい。
朝の潅水を2日前倒し、カルシウム葉面を追加、収穫後の予冷を15分短縮。
3日後、空洞率は1/3、糖度分布は目標レンジに復帰。
試し切りの一口目で「今年いちばん」。数字と段取りが、夏の“幸福の音”を連れてきた。
収穫ロットごとに糖度3点サンプリング→ホワイトボードで共有。
予冷リードタイムを実測し、搬出動線を10分短縮。
**玉返しのSOP(写真3枚)**を通路に掲示。
規格外の即時出口(ジュース/加工)表を作り、廃棄を価値へ。
SNSに試し切り動画と保管・食べ方カード(冷やし方/切り方/塩ひとつまみ)を週1投稿。
スイカ農家は、
露地と勘 → 接ぎ木×施設 → コールドチェーン×小玉化 → ICT×体験×レジリエンスへと進化してきました。
これからの鍵は、着果温度×株負荷設計・水分ストレス制御・予冷リードタイム短縮・多層の出口。
今日の一歩は――糖度と予冷時間の“見える化”から。
小さな仕組み化が、“外れのない夏”と選ばれ続ける産地をつくります🍉🚀